2023年2月14日から3月25日にかけて開催された「web3 Hackathon|トヨタ自動車 × 博報堂キースリー」に社外メンバーと参加し、開発したプロジェクト予測市場プラットフォーム「Paddock」が入賞を果たしました。
このハッカソンでは、トヨタ自動車をはじめ、Astar Network、Web3 Foundation、Alchemyが協賛し、博報堂キースリーが主催するという豪華な顔ぶれで、総額$100,000(約1,320万円)相当の賞金が授与されました。我々は$10,000の優秀賞を受賞しました。
ハッカソンのテーマは「企業内プロジェクト向けDAO支援ツールの開発」で、トヨタ自動車が持つ業務改善の文化を活かし、ブロックチェーンを活用した新しい業務効率化サービスを生み出すことが求められました。
弊社が開発した「Paddock」は、プロジェクトの成否を予測する予測市場プラットフォームです。サービスの仕組みは以下の通りです。
- プロジェクトの起案者(新規事業担当者)がサービス内にプロジェクトを作成し、目標期日と目標値を設定。プロジェクトの予算をデポジットする。
- 社内外の協力者・参加者が目標の成功/未達にbet(賭け)する。このとき応援メッセージや未達と考える理由を投稿。未達と考える理由は期日が来るまで非公開。
- bet期間が終了したらプロジェクトが開始。
- 社内外の参加者で目標達成にbetした人はプロジェクトにアドバイスや作業支援で貢献。
- プロジェクトの終了日に目標の達成可否を入力。
- 目標の達成可否に応じてプールから報酬が分配される。
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「Paddock」のアイデアは、社内の新規事業プロジェクトが実証実験(PoC)で終わってしまうことが多いという問題意識からから生まれました。DAO・分散型組織の導入だけでは解決できず、むしろリーダーシップの低下により悪化しかねないと考えたことがきっかけです。そこで、インセンティブの設計に着目し、予測市場のアイデアにたどり着きました。
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「Paddock」はbetを通じてプロジェクト参加者が積極的にアドバイスや作業支援を行い、プロジェクト成功に向けたインセンティブを提供しています。また、プロジェクトは「失敗にbetされた金額が多いほど成功した時のリターンが大きい」という仕組みのため、高い目標を設定するインセンティブが働きます。これにより、プロジェクトの成否を正確に予測し、新規事業プロジェクトの成功率を向上させることが期待されます。
web3 Hackathonで「Paddock」が入賞したことは、技術力とアイデア力が高く評価された結果であり、今後もこのようなイノベーションを生み出していきたいと考えています。今回のハッカソンを開催してくださった協賛・主催者の皆様、そして参加者の皆様に心から感謝申し上げます。