Dapps開発において、webのフロントエンドがブロックチェーン上のスマートコントラクトと通信して関数を呼び出すためには、ブロックチェーンを構成するノードのいずれかと通信する必要があります。ノードがEVM上で実行されるトランザクションのリクエストをブロードキャストし、マイナーがトランザクションを実行し、状態の変化をネットワーク全体に伝播します。ノードと通信するには
- 独自のノードをセットアップする
- サードパーティによって提供されるノードを使用する
という選択肢があります。独自のノードをセットアップするのは時間とコストがかかるため、2の選択肢を採ることが一般的です。このサードパーティによって提供されるノードとの通信ができるAPIをJSON RPC APIと言ったりします。またこのサービスのことをノード運用サービスやNode as a Serviceと呼びます。以下の図がイメージしやすいです。
(出典:The Architecture of a Web 3.0 application)
代表的なノード運用サービス
Ethereumの公式ドキュメント「ノード運用サービス」で列挙されるサービスのうち、いくつかをピックアップしてまとめてみます。
Infura
- 最も代表的なサービスの1つ。Consensysが運営
- 他サービスと比べてスループット(1秒あたりの最大リクエスト数)が高い
- Free、$50、$225、$1,000、カスタムという5段階の料金体系
- Ethereum、Polygon、Avalanche、Optimism、Arbitrum、Linea、Blast、Starknet、Celo、Palm
Alchemy
- NFT APIでも人気のSaaS
- 無料プランの枠が大きい
- Free、$49、$199、カスタムという4段階の料金体系
- Ethereum、Polygon、Optimism、Arbitrum、Starknet、Base、Solana、Astar、Polygon zkEVM
QuickNode
- 老舗のJSON RPC APIプロバイダー
- 低額の有料プランがある。非EVMも比較的豊富
- Free、$10、$49、$299、カスタムという5段階の料金体系
- Aptos、Arbitrum、Arbitrum Nova、Avalanche、Base、Berachain、Bitcoin、Blast、BNB Smart Chain、Celo、Cyber、Ethereum、Fantom、Flow、Gnosis、Immutable zkEVM、NEAR、Optimism、Polkadot、Polygon、Polygon zkEVM、Scroll、SEI、Solana、Stacks、Starknet、Stellar、TRON、XRP Ledger、zkSync Era
ChainStack
- NFT APIやIPFSストレージなどのサービスも併せ持つ開発者プラットフォーム
- Free、$49、$349、カスタム($990 ~ )という4段階の料金体系
- Ethereum、Polygon、BNB Smart Chain、Base、Avalanche、Arbitrum、zkSync Era、Polygon zkEVM、Optimism、NEAR、Aurora、Solana、Scroll、Ronin、Aptos、Oasis Sapphire、Gnosis Chain、Cronos、Filecoin、Fantom、Starknet、Harmony、Tezos、Fuse、Bitcoin
All That Node
- 韓国ベースのDSRV Labsが運営するサービス
- Free、$49、$199、カスタムという4段階の料金体系
- 62のチェーンに対応
Ankr
- Public、Freemium、Premium、Enterpriseという4段階の料金体系(PublicもFreemiumも無料のため実質3つの料金体系)
- Publicはサインインなしで利用可能
- Premiumは従量課金制
- 40以上のチェーンに対応
Tokenview
- Free、$588、$3588、カスタムという4段階の料金体系
- Ethereum、BNB Smart Chain、Ethereum Classic、KuCoin、Bitcoin、 TRON、Bitcoin Cash、DASH、DOGE、Lite coin、DigiByte、Ravencoin.
NodeReal
- Free、$31、$159、$399、カスタムという5段階の料金体系
- Aptos、BNB Smart Chain、Ethereum、Ethereum Beacon、Optimism、Polygon
表にまとめると以下のようになります。
まとめ
ご自身のプロジェクトに合わせて以下の観点から絞り込み、選択をすると良いかと思います。
- 対応チェーンが十分かで絞り込み。将来的に複数チェーンに展開する可能性がある場合、そのチェーンも考慮に入れる。
- 可用性が信頼できるサービスか検討(実際に数字を検証することは難しいので、運営歴の長さや採用プロジェクト数でトラストできるか検討するしかないです)
- 想定ユーザー数・リクエスト数に照らしてコストを比較
- エンタープライズプランに適応しそうな場合、各サービスに連絡して相見積もり→交渉
株式会社Pontechでは、Dapps開発の受託を請け負っております。本記事のように採用する技術やサードパーティのサービスの検討からお手伝いすることが可能です。
Dapps開発に関するご相談がございましたら、ぜひ当社までお問い合わせください。
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